広報・インタビュー

コロナ感染症 感謝状を頂きました!【南塘だより】

 去る5月8日、コロナ感染症が5類に移行した同日、青森県知事から感謝状を頂きました。このことが、10月24日発行の「南塘だより」111号に掲載されております。以下、高度救命救急センター センター長 花田教授の掲載文を転記いたします。


 コロナ感染症が2類から5類になりましたが、この日付で青森県知事からコロナ感染症拡大防止や医療供給体制の構築に貢献したことについて感謝状をいただきました。

弘前大学医学部附属病院からは私、感染制御センターから齋藤紀先、糸賀正道、木村俊幸、尾崎浩美、DMAT隊員(私も含む)である伊藤勝博、上原子まどか、辻口貴清の8名が感謝状をいただきました。

COVID-19の19は2019年なので2023年まで4年間戦って、5類になった今もまだ戦いは続いています。

医療にとっての災害とは、原因は何であれ供給できる医療の範囲を超える傷病者が発生することにあります。

感染者全員入院隔離を原則としていたときに弘前市で初めて経験した飲食店クラスターは、まさにこの状況を生み出しました。患者一覧表をつくって処遇を決めていく災害医療の手法を、弘前保健所の一角に机を借りて、弘前大学からこれらに詳しいDMAT隊員を派遣してもらいながら対応しました。急激な感染症患者の負担は各医療機関の一般救急診療に多大な影響を与え、普通の喘息発作の患者がどこも受け付けられないなどの事態が多発しました。

コロナ禍で発達したネット会議システムを使って、連日各病院の状況を確認しあう連携会議を作り、各病院間の情報共有を行いました。この会議は現在もコロナ感染症急増期に週1回のペースで継続しています。

クラスターが発生した病院や施設には感染制御センターの医師看護師(齋藤、糸賀、木村、尾崎)が現場に赴いてゾーニングやPPE着脱、感染への基本的対応などを指導してきました。クラスター発生施設では、職員も感染したため、どの患者を別病院に割り当ててその施設での対応患者を減らし、だれをとどまらせるかも重要でしたが、伊藤、上原子が施設に赴いてこういった指揮をとりました。当院内の対応だけでも夜遅くまで大変でしたが、院内のみならず地域全体への貢献が評価されたのだと思います。その他にもオミクロン株出現後の軽症が多いにもかかわらず病院受診が増大した時期には、各科の協力のもと大学病院で電話診療システムを取り入れ、また弘前市と弘前消防の協力を得てドライブスルー発熱外来を立ち上げて、対応してきました。伊藤、辻口のマネージメントがこれらの活動を大きく支えていました。2021年12月からは萱場先生に代わって青森県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に感染制御センター齋藤と私が参加してきました。

これらの活動は多くの方々の支援があって成り立ったものであり、この紙面を借りてお礼申し上げます。

現在やっと9波を乗り越えましたようです。まだまだ波は続きそうで、新たなウイルスも出現してくる可能性があります。大学病院を中心に地域が一体となって取り組んでいくしかないと思っております。

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