働き方・インタビュー

【研修手記】北里大学病院 救命救急・災害医療センター での研修を終えて(by 中山先生)

 当科花田教授、北里大学病院救命救急・災害医療センター浅利教授のご厚意により、2023年4月1日~5月31日まで北里大学病院救命救急・災害医療センターにて研修して参りました!病床数、スタッフ、コメディカル、研修医の数など何においてもその規模の大きさや人数の多さに圧倒されました…その中で救急外来初療、病棟管理、当直、ドクターカーなど充実した研修が体験できました!

救急外来初療

 3次救急の重症患者さんが一日に数名運ばれてくることが多いですが、スタッフ皆さんの診察・処置のスピードが速く、また放射線技師が救命センターに常駐しており、レントゲン、CTの撮像スピードも速く、あっという間に初療が終わって入院となる印象でした。また、院外心停止でECMO適応と判断した際には救急隊が患者さんを直接透視室に運び、すぐにECMO導入が開始されるシステムを見学させていただき非常に効率的だなと思いました。そのため、現在当科でも直接透視台へ搬入してECMOを導入することは可能か検討させていただいております。

 研修の後半に1度、ホットライン当番をさせていただきました!その日だけで重症患者が7-8人来てしまい、スタッフに「いい加減にしてくれー!!」と言われてしまいましたが(笑)皆さん力を合わせて次々と初療を終わらせてくれました。ありがとうございました!

北里大学病院の裏手救命センター入り口側から病棟を望む

病棟管理

 病棟カンファでは病棟看護師、管理栄養士、リハビリテーション部、薬剤師など多職種が集まり、救急科の丸橋先生を中心に高度な議論が行われ、最新の知見も教えていただき非常に勉強になりました。また、自分は糖尿病も専門なのですが、病棟の血糖管理についてスタッフの先生方から様々な質問をしていただきました。特にインスリン固定打ちの調整法を説明したところ、すぐに病棟管理に取り入れて、その後も試行錯誤してくださり、スタッフの先生方の向上心にも驚きました。

当直

 当直は3人体制+研修医で、一晩に日中と同じくらい重症患者が運び込まれてくる印象でした。重症外傷もたびたび搬送されておりましたが、IVR班や外傷外科班が常に自宅待機しており、重症外傷でcallがあればすぐに来院しIVRや手術を施行しており、外傷は完全に救急科内で治療を完結させていました。

 また、完全シフト制で当直日は夕から勤務開始、翌日午前中に勤務終了であり、当直明けに食べるラーメンは最高に美味しかったです(金先生に数多くのラーメン屋さんを教えていただき、仕事外も大変充実した研修となりました)!

ドクターカー

 北里大学救命の名物はIVRとドクターカーと感じました(編集部註:北里大学病院ではドクヘリは運用しておりませんがヘリポートあり受け入れOKと当病院と似ています)。当科はマンパワーの問題でなかなかドクターカーを出せないことが多いのですが、北里大学救命では一日に数件出ており、救命士さんの運転でスピーディーに現場に行くことができ、スタッフの方の処置も的確で速く、病院前診療として非常に勉強になりました。また、建設現場2階でのCPA(VF)の方にドクターカーで出動して現場2階でECMOを確立し、担架で1階まで降ろして搬送した話を聞きとても驚きました。当科も今後マンパワーが増えたらドクターカーをもっと出していきたいと思います。

中央ピースが中山先生ですウェーい

 他、仕事以外でも何回か飲み会を開いていただいたり、誕生日ケーキを準備していただいたり、金先生、岡崎先生を中心に美味しいラーメンや行くべき観光スポットをたくさん教えてもらったりして、非常に楽しい研修となりました。今後、この経験を弘前大学救命での診療に活かしていきたいと思います。北里大学救命の皆様、本当にありがとうございました!


編集後記

 中山先生お疲れ様でした。また、北里大学救命センターの皆様、誠にありがとうございました。中山先生が持ち帰った中で今一番役に立っているのが、地味に各グループのメモノート運用だったりします。早速導入して効果絶大です。何気ない工夫の積み重ねが大切なのだと痛感しました。

-働き方・インタビュー