昨年は8月末の◯◯暑い十和田市にて行われたこの訓練、今年は10月末に開催され快晴適温?のなか実施されました。規模の大きい訓練であり、陸上・海上・航空の各自衛隊や国土交通省等の国の機関、警察、消防、防災関係機関など合わせて80機関・約3,500名が参加しました。この訓練の一端として行われるDMAT訓練ですが、昨年DMATは救護所・搬送訓練のみだったところ、今年はより実災害に即したDMAT本部立ち上げ・連携訓練が行われおります。DMAT訓練の概要を当センターロジスティクス・花田主任にレビューして頂きます!
訓練概要
令和6年10月30日、
弘前市を震源とするマグニチュード7.0の地震を想定
した大規模災害訓練が実施されました。この訓練では、震度6強の揺れにより市街地での建物倒壊や火災が発生し、ライフラインに甚大な被害が生じたという想定で行われました。
新しい訓練体制
DMATの役割強化
今回の訓練では、従来の現場救護重視から、より実践的なDMAT活動を重視した内容へと大きく刷新されました。特に以下の3つの機能を確立しました:
- 参集拠点本部
- 活動拠点本部
- 県DMAT調整本部
実践的な活動内容
弘前大学DMATは青森県DMAT調整本部(医療福祉大学内にて仮想立ち上げ訓練)として中心的な役割を担い、以下の重要な任務を遂行しました:
- 各活動拠点本部からの情報収集
- 県全体の活動方針の策定
- 病院支援体制の確立
- 傷病者搬送フローの作成
- 燃料補給等の後方支援調整
訓練会場と実施内容
DMAT訓練は弘前医療福祉大学を主会場として実施され、以下の施設が活用されました:
- 第一駐車場:現場救護所設置・運営訓練
- USAR棟・4号館:DMAT参集調整訓練
- グラウンド:ドクターヘリランデブーポイント
医学教育的意義
この訓練は、医学生や研修医にとって以下の学習機会を提供しました:
- 災害医療における組織的対応の実践
- トリアージの実地訓練
- 多機関連携における医療チームの役割理解
- DMATの活動概念の体系的把握
今後の展望
本訓練で確立された新しい訓練スキームは、次年度以降の青森県総合防災訓練においてさらに発展させていく予定です。特に病院支援機能と地域医療体制の維持に重点を置いた実践的な訓練を目指します。
以下、参照事項
ちなみに、当日ドクヘリにて花田教授が飛来しておりました
訓練の全体像
令和6年10月30日に実施された訓練は、弘前市を震源とするマグニチュード7.0、震度6強の地震を想定して行われました。市街地での建物倒壊や火災発生、ライフラインの甚大な被害という状況下での救護活動が展開されました。
主要な訓練内容
救護所設置・運営訓練
- 救急指揮所、トリアージポストおよび応急救護所の設置
- START法による1次トリアージと2次トリアージの実施
- トリアージ・タッグ記入の実践
実践的な医療処置訓練
以下の処置を実際に再現して実施:
- 止血・創傷処置
- 上下肢の骨折処置
- 骨盤骨折の固定
- フレイルチェスト固定
- 静脈路確保のシミュレーション
DMAT活動訓練
- 参集拠点・活動拠点本部の運営
- 現地調整本部との連携
- 傷病者情報の収集と管理
- ドクターヘリ活用を含めた搬送システムの確立
多機関連携
訓練には以下の機関が参加:
- 弘前消防本部
- 県内各地の消防本部
- 海上自衛隊大湊地方隊
- 弘前市医師会
- 弘前大学医学部附属病院DMAT
- 青森県DMAT隊