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令和5年度 被ばく医療合同訓練【南塘だより】

 南塘だより第113号(4月26日発刊)に、令和5年度の緊急被ばく医療合同訓練の様子が寄稿されました。以下に記事の抜粋を掲載します。また、本HPでの訓練の様子もご参照ください→令和5年度令和4年度


『令和5年12月7日に弘前大学医学部附属病院と日本原燃株式会社は,六ヶ所再処理工場において放射性物質を体内に取り込んだ可能性のある傷病者が発生したことを想定し,通報連絡および搬送,到着後の除染措置など,緊急被ばく医療合同訓練を実施しました。

本訓練は,弘前大学医学部附属病院と日本原燃株式会社は2007年10月16日に「放射性物質による被ばく・汚染を伴う傷病者の診療に関する覚書」を締結し,実際に汚染や内部被ばく等の傷病者が発生した場合には受け入れることとなっています。訓練は今回で6回目となります。昨年度の訓練ではα核種の内部汚染という対応が難しい症例でしたが,今年度は救命センター受け入れ側でより多くの医師看護師が被ばく医療に対応できるようになることを目的として,もう一度基本的な汚染傷病者対応を確認しました。

訓練では,日本原燃から高度救命救急センターへ傷病者受入れ要請の通報から始まり,受入決定後に院内各所への報告及び人員派遣を要請します。続いて,医師・看護師等の汚染を防ぐ防護服の着用や,施設の床や物品の汚染を防ぐためにビニールシート養生保護などの受入準備を整えます。傷病者が到着してからは,救命措置を最優先にしながらも,汚染部位の除染等を行い病棟入院までの手順を確認しました。今回事故現場では鼻スメアが陽性(鼻腔内をぬぐった綿棒で放射線が検出された)という設定で,内部被ばくも疑われる患者情報でしたが,来院後のスメアは鼻腔口腔とも陰性で,外傷と汚染のみの対応でした。最後に,傷病者治療エリアの放射線量を計測しながら養生の解除を行い,安全宣言を発して訓練終了となりました。訓練終了後の振り返り検討会においても,様々な課題を共有でき充実した訓練となりました。

当日は本学から約20名及び日本原燃から約10名が参加し実践的な訓練を行うことができました。今後も関係各所との連携強化も含め,様々な訓練を通しながら即座に行動できる体制づくりを進めて参ります。(高度救命救急センター長 花田裕之)』

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