広報・インタビュー

令和5年度 「緊急被ばく医療合同訓練」を実施しました

 令和5年12月7日、弘前大学および日本原燃による「緊急被ばく医療合同訓練」が実施されました。六ヶ所再処理工場において放射性物質を体内に取り込んだ可能性のある傷病者が発生したことを想定し、通報連絡および搬送、到着後の除染措置などの訓練を行いました。

 本訓練は、高度被ばく医療支援センターおよび原子力災害医療・総合支援センターの指定を受けている弘前大学医学部附属病院と日本原燃株式会社が2007年10月16日に締結した「放射性物質による被ばく・汚染を伴う傷病者の診療に関する覚書」に基づき実施しており、今回で6回目となります。

 訓練の概要ですが、まずは日本原燃から高度救命救急センターへ傷病者受入れ要請の通報から始まり、受入決定後に院内各所への報告及び人員派遣を要請します。

本部長役の横田先生が通報を受け、院長はじめ院内各所に連絡・要請を行います

 続いて、医師・看護師等の汚染を防ぐ防護服の着用や、施設の床や物品の汚染を防ぐためにビニールシート養生保護などの受入準備を整えます。既に「放射線汚染線量測定と患者脱衣、受傷・汚染部位の簡易処置とパッキングは現場で済ませている」想定のため、受け入れ側の装備はタイベックスーツではありません。なんでもかんでもタイベックスーツではなく適切な治療を行いかつ汚染から防護できる適切な装備を都度選択します。

壁までガッチリ養生します
受け入れ準備完了

傷病者が到着してからは、救命措置を最優先にしながらも、汚染部位の除染等を行い病棟入院までの手順を確認しました。

救命優先です!除染よりバイタル安定化が最優先です
治療と除染の様子(手が足りず横田先生がHOT Zoneに応援)
治療・除染完了後に病棟入院

最後に、傷病者治療エリアの放射線量を計測しながら養生の解除を行い、安全宣言を発して訓練終了となりました。

HOT Zoneからの離脱が大変なんですよ

訓練終了後の振り返り検討会においても、様々な課題を共有でき充実した訓練となりました。

振り返り・お疲れ様でした!

高度被ばく医療支援センターとは

 地域の原子力災害拠点病院等では対応できない高度専門的な診療及び支援並びに高度専門教育研修等を行うことを目的に指定されています。弘前大学の他に福島県立医科大学・福井大学・広島大学・長崎大学が指定されており、量子科学技術研究開発機構(千葉)は、基幹高度被ばく医療支援センターとして、これらの高度被ばく医療支援センターの中心的・先導的な役割を担います。

原子力災害医療・総合支援センターとは

 平時において、原子力災害拠点病院に対する支援や関連医療機関とのネットワークの構築を行うとともに、原子力災害時において原子力災害医療派遣チーム(原子力災害版DMAT)の派遣調整等を行うことを目的に指定されています。弘前大学の他に福島県立医科大学・広島大学・長崎大学が指定されています。

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