9月14日第5回弘前MCLS標準コースが弘前大学医学部附属病院にて開催されました。コロナ禍を経て、実に6年ぶりの開催となったそうです。
MCLS(Mass Casualty Life Support)とは?
MCLSコースは、多数傷病者への対応を標準化するためのトレーニングコースです。以下にその概要をまとめます:
MCLSの目的と対象者
- 災害時に発生した多数傷病者への適切な対応を学び、傷病者の救命率と社会復帰率の向上を目指す。
- 主な対象者は、災害医療や防災業務に従事する者(医師、看護師、ロジスティクス、救急隊員、警察官、自衛官など)。
コースの特徴
- DMATの隊員が学ぶ内容を多く取り入れ、理論や用語の普及と共通化を図っている。
- 消防・警察等とDMATが災害現場で連携できるようになることを目指している。
学習目標
- 災害・多数傷病者に関する基礎的知識の習得
- 災害現場対応の原則の理解と実践
- 先着隊の活動
- 災害現場医療の3T(Triage、Treatment、Transportation)の理解と実践
- 各種トリアージの理解と実践
- 現場救護所の設置・運営
- DMATの現場活動の理解と連携
コースの運営
- 一般社団法人日本災害医学会がMCLSを運営し、MCLS運営委員会が実務を担当。
- 各地で承認されたMCLSコースが開催されている。
関連コース
- MCLS CBRNEコース:化学、生物、放射性物質、核物質、爆発物によるテロ・特殊災害への対応を学ぶ追加コース。
MCLSは、災害現場での多職種連携を重視し、標準化された対応を学ぶことで、効果的な災害医療の提供を目指すトレーニングプログラムです。弘前での開催は久しぶりでしたが多数の参加者が熱心に受講していました。
次回は12月14日(土)つがる市で開催予定の模様です。参加ご希望の際はコチラからアクセスしてみてください。
すしあんじょうほうようばしょとり…て何?
このMCLSコースではいくつかのキーワードが出てきます。若干ネタバレになりますが一部をご紹介します。MCLSコースにおける「すしあんじょうほうようばしょとり」は、災害現場での初期対応の重要なステップを覚えやすく表現したキーワードです。各文字は以下の意味を持ちます:
す: スイッチを入れる
- 災害モードに切り替え、通常の救急活動とは異なる対応が必要だと認識する
し: 指揮
- 現場での指揮官を決定し、意思決定の一元化を図る
あん: 安全
- 3S (Self自分、Scene現場、Surviver生存者) の安全を確認する
じょう: 情報
- 「いざききかんり」の順で情報を整理する
- い: いつ、どんな?
- ざ: 座標(どこで起きた?)
- き: 危険な状況、危険物
- き: 緊急機関、応援要請
- かん: 患者数、重症者数
- り: 利用経路
ほう: 報告
- 得られた情報をリーダー、指揮隊、本部に報告し、チームで共有する
よう: 要請
- 災害現場の状況や患者数、傷病の程度を見て必要な応援要請をする
場所取り: 活動場所の設定
- 傷病者の安全や診療の効率化を考え、集積所や救護所などの場所を確保、設定する
TTT (3つのT)
さらに、この後に続く3つのTは以下を表します:
- T: Triage (トリアージ)
- T: Treatment (治療)
- T: Transport (搬送)
これらのステップを順序立てて実行することで、災害現場での効果的な初期対応が可能となります。MCLSコースでは、この「すしあんじょうほうようばしょとりTTT」を中心に、災害医療の基本的な考え方と実践的なスキルを学びます。…学ぶのですが、なかなか覚えられませんよね。気合で覚えるのもアリですが、いざ口頭試問なんかの時には真っ白になりがちです。そこで?少しでも覚えられるように、AIにイラスト書かせてみました!イメージで覚えましょう。
いかがですか?暗記できましたか?ご参考になれば幸いです。