抄読会・症例検討会

抄読会 #8:高血圧症の治療

JAMA. 2022;328(18):1849-1861. doi:10.1001/jama.2022.19590

2022年のJAMA reviewをもとに、高血圧症の治療についてまとめてみました。高血圧は収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧80mmHg以上と定義され、世界中で10億人以上が罹患しています。高血圧は心血管疾患や死亡のリスクを高めるため、適切な治療が重要です。

生活習慣の修正

高血圧治療の第一選択は生活習慣の修正です。

  • 減量:体重1kg減少で収縮期血圧が1mmHg低下
  • 食事:低ナトリウム・高カリウム食が有効。カリウム豊富な果物、野菜、豆類などの摂取を
  • 運動:有酸素運動を週150分、筋力トレーニングも効果的
  • 節酒:1日あたりアルコール摂取量は男性14g以下、女性7g以下

薬物療法

生活習慣の修正で改善が見られない場合は薬物療法を検討します。第一選択薬は以下の通りです。

  • チアジド系利尿薬
  • ACE阻害薬/ARB
  • カルシウム拮抗薬

65歳未満では130/80mmHg未満、65歳以上では収縮期130mmHg未満を目標に薬剤を調整します。収縮期血圧10mmHg低下で心血管イベントが20〜30%減少します。

最新の知見

  • SPRINT試験:厳格な降圧治療で心血管イベントと総死亡が25%減少
  • STEP試験:高齢者でも厳格な降圧治療が有効
  • カリウム摂取の重要性:ナトリウムの一部をカリウムに置き換えることで降圧効果が得られる

適切な生活習慣の修正と薬物療法により、高血圧による心血管リスクを大幅に低減できます。かかりつけ医と相談しながら、積極的に治療に取り組むことが大切です。


Conectingpaper見てみましたが大きなアップデートはなさそうでした。カリウム摂取しましょう皆様。

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