弘前大学病院以外でも、青森県災害対策本部にDMATが派遣され本部運営支援を行いました。訓練全体の概要はコチラをご参照ください。DMAT調整本部にてロジリーダーとなって活躍した辻口先生(災害・被ばく医療教育センター)にレポート頂きます。辻口先生よろしくお願します!
令和7年9月6日(土)に実施された「大規模地震時医療活動訓練」において、青森県庁災害対策本部内(県庁北棟)に保健医療福祉調整本部(DMAT調整本部)が設置され、当院DMAT隊員が県庁で活動しましたのでご報告いたします
保健医療福祉調整本部では、地震発生に伴い生じる多様な医療ニーズに対応するため、DMATをはじめとした関係団体が連携し、県全体の指揮・統制を担いました

当院からは、DMATコーディネーションチームとして伊藤先生と辻口が、統括医師を含むDMAT隊として奈良岡先生、上原子看護師、葛西看護師、熊澤ロジが参加しました。
発災直後は、震度・津波範囲・ライフライン・道路状況などの被害情報を県職員と共同で収集。特に大きな被害が想定される八戸・青森地域に加え、同地域からの患者受け入れ先となる被害の少ない弘前地域の災害拠点病院に対しても、医療支援拠点の設置を通達し、県内全体の指揮系統を構築しました。

調整本部内では以下の6班が編成され、情報を集約しながら災害対応訓練を行いました
- 活動指揮班:支援団体の活動指揮
- 病院支援班:医療機関の被害状況調査
- 施設支援班:社会福祉施設等の被害状況調査
- 被災地支援班:避難所・被災地の医療ニーズ調査
- 物資支援班:医療機関等への支援物資手配
- 搬送調整班:傷病者・入院患者の搬送調整

今回の訓練では、地震と津波に加え、原子力災害の発生も想定されました
下北半島に向かう医療支援者へ安全管理上の留意点を説明することは、非常に難易度の高い任務でした。

また、多くの支援団体が県庁に集結し、訓練を通じて「顔の見える関係」が少しずつ築かれていくことを実感しました。実災害に備える上で、マニュアルや知識の検証はもちろんのこと、こうした関係性の構築が極めて重要であると再認識する機会となりました。

辻口先生ありがとうございました!本年度政府訓練の振り返り記事は本記事が最後となります。来年度の政府訓練は「南海トラフ巨大地震の想定」らしいです。来年も頑張りましょう。また、本年度の東北ブロックDMAT参集訓練はこの政府訓練と一緒になりましたので、来年度の参集訓練先でお会いしましょう。