令和7年度北海道原子力防災訓練の評価者として 岩内協会病院での医療訓練に参加しました!
令和7年10月29日に北海道原子力防災訓練が開催されました。過去の記事にも記載しておりますが、原子力発電所などの関連施設を有する自治体では原子力防災訓練が例年実施されており、
被ばく・汚染傷病者の対応を確認する医療訓練や住民の避難訓練、事業者⇔自治体⇔医療機関などの連絡フローを確認する通信訓練など多岐にわたる事項を確認しています
昨年度に引き続き、今年度も弘前大学は岩内協会病院における医療訓練の評価者の依頼を受け、参加してきました。
今回の訓練では、
泊原発3号機内における冷却水漏えい事故が発生し、事故対応中に複数の作業員が転落・転倒等による外傷に加えて受傷箇所に放射性物質の汚染を伴うという想定でした
岩内協会病院は泊原発近隣の原子力災害医療協力機関としてこれら複数名の傷病者の受入を実施、医療処置・負傷作業員の安定化と必要に応じた北海道大学病院への搬送というミッションを担いました


訓練は岩内協会病院の熱心且つ繊細な準備と迅速な医療対応、医療機関への情報伝達や放射線安全管理に協力する電力事業者、搬送に関わる消防組合など、多数の機関がスムースに連携した非常に実りあるものでした。なかでも私が最も驚いたのは、
本訓練に岩内協会病院以外の近隣の原子力災害医療協力機関(JA北海道厚生連倶知安厚生病院など)の医療スタッフも参集!
している点でした!日常の臨床で忙しい中、病院間で訓練が実施される情報を共有し、地域として非常に熱心に原子力災害医療対応を学ぶ体制を自主的に作っているとのことです。

訓練終了時、本学から訓練参加者に対して医療対応に係る細かな技術的なフィードバックを実施させていただきました。全体を通して非常に嬉しかったことは、岩内協会病院に到着した時点で、関係のスタッフの皆様に「弘前大学の皆様昨年に引き続きまたお願いします!」とお声かけいただいてスタートでき、訓練終了後はたくさんの方から名刺交換や意見交換を含めて実りある時間を過ごせたことでした。医療に係る技術的な事項はもちろん大事ですが、【顔の見える関係】を作っておくことが何より災害時の対応に活きるのではと痛感しました。
また来年度以降も北海道と連携してまいりたいと思います!訓練評価という貴重な機会を頂戴したことに、皆様に感謝です!
内閣府の参考資料

