近い将来、高い確度で発生が懸念されている南海トラフ巨大地震…国の被害想定が前回から10年余りたって全面的に見直されました。以下は、南海トラフ巨大地震に関する新たな被害想定の要約です→コチラを参照 とくに、災害関連死のリスクが高く対応が必要な人の規模についても推計されました。
避難所で過ごす人のうち、1週間後の最大値では、
・要介護認定者は 26万5000人
・妊産婦は 8万人
・難病患者は 5万3000人
にのぼるとされています。
また、
・医療機関で受け入れきれない患者は 15万5000人
・人工透析が必要な人のうち停電や断水の影響を受けるのは 12万人
・人工呼吸器を在宅で利用している人のうち停電の影響を受けるのは 6700人
にのぼるとされました。
特に最大クラスの地震では、被害がきわめて広域におよぶためこうした人たちが十分な支援を受けられず災害関連死が増加するおそれがあるとしています。
南海トラフ巨大地震「新被害想定」概要
被害規模
- 死者数: 最大29万8000人(うち津波による死者が約21万5000人)
- 建物被害: 全壊・焼失が最大235万棟
- 避難者数: 最大1230万人(人口の約10%)
- 経済損失: 約270兆円(国家予算の2倍以上)
津波・揺れの影響
- 津波: 3メートル以上が福島県~沖縄県、10メートル以上が関東~九州、局地的には30メートル超(高知県など)
- 揺れ: 震度6弱以上が24府県600市町村、震度7が10県149市町村
災害関連死
- 避難生活中の体調悪化などによる「災害関連死」が最大5万2000人と推計され、東日本大震災の13倍に達する可能性
ライフラインへの影響
- 停電: 地震直後に約2950万戸、1週間後でも130万戸が停電
- 上下水道: 断水影響を受ける人数が最大3690万人
- 通信障害: 携帯電話や固定電話で広域的な通話困難
対策と課題
- 津波避難ビルや防潮堤の整備により、死者数や建物被害を減少可能
- 耐震化率を100%にすれば建物倒壊による死者を約8割減少
- 家具固定率を全国平均35.9%から100%にすることで室内事故死を約7割減少
長周期地震動の影響
- 超高層ビルの揺れ幅が最大3メートル以上に達し、都市部で甚大な被害の可能性
- 石油コンビナートで液体の波打ち現象「スロッシング」による火災リスク
政府と専門家の提言
- 福和伸夫名誉教授は「国民や産業界は本気で対策を進めるべき」と訴え、住宅耐震化や迅速な避難行動の重要性を強調
- 政府は防災基本計画を改定し、夏頃までに対策を加速する方針
この情報は地域防災計画や個人の備えに活用できます。迅速な避難行動と耐震化対策が被害軽減につながります